企業がスポーツチームのスポンサーになる動きは、広告としてだけでなくブランディングや地域貢献の手段としても注目されています。
とはいえ、実際にスポンサーを検討する段階で、次のような疑問が出てくる企業もいるでしょう。
- スポーツスポンサーの仕組みとは?
- 企業が得られる具体的なメリットは?
- 実際にスポンサーしている企業の事例は?
- 最近はどんな形のスポンサー活動がトレンドなの?
そこで、企業がスポーツチームのスポンサーになることで得られる5つのメリットを、実例や最新トレンドとあわせてわかりやすく解説します。
地域や若者とのつながりを深めたい、広告以上の価値を求めたいという企業の方は、ぜひ参考にしてください。
スポーツスポンサーの仕組みとは#
スポーツスポンサーとは、企業がスポーツチームや大会に資金や物品を提供し、見返りとしてさまざまな権利を得る公式な契約のことです。
スポンサーになることで企業が得られる代表的な権利は、以下のとおりです。
| 権利名 | 内容の一例 |
| 呼称権 | 試合名に社名をつけられる |
| ロゴ掲出権 | ユニフォームや会場看板、SNSなどにロゴを表示できる |
| 肖像利用権 | 選手の写真やチームエンブレムを広告素材に使える |
| 接待・販売権 | VIP席での招待や、会場での商品の販売・配布ができる |
| データ活用権 | チームと共同でファンの行動データを使ったマーケティングができる |
企業がスポーツチームのスポンサーになる5つのメリット#
プロスポーツチームへのスポンサーシップは、単なる「応援」の枠を超えた、戦略的マーケティング投資です。企業の認知度向上や企業イメージの強化など、明確な成果が期待できます。
ここでは、スポンサーシップを通じて得られる5つのメリットをご紹介します。
プロスポーツチームへのスポンサーは、単なる応援ではなく、明確なマーケティング効果が期待できる投資です。
ここでは、スポンサーシップで得られる5つのメリットを紹介します。
①企業ブランドの認知度が一気に高まる#
スポーツスポンサーは、企業ロゴや社名があらゆる場面で繰り返し露出するため、ブランドの認知度を短期間で引き上げる効果があります。
たとえば、以下のような場面で企業名が繰り返し露出します。
- スタジアム内に設置された広告看板
- 選手のユニフォームに印字されたロゴや社名
- 公式SNSでの投稿やタグ付け
- テレビ中継や配信サービスでの映像内テロップや実況紹介
このように大会名と一体化した形で露出を続けることで、単なる広告では届かないレベルの認知獲得が可能になります。
②新規顧客獲得と売上アップが期待できる#
スポーツファンは、そのチームに協力している企業にも好感を持つ傾向があります。感情を込めた応援が、企業への信頼にもつながっていくからです。
たとえば、以下のような施策を行うことで、売上アップにつながる可能性があります。
- 会場での無料サンプリングや試食イベント
- ファン向けの限定クーポン配布
- チームと連動したSNSキャンペーンやタイアップ広告
これらの取り組みは、ファンの気持ちに寄り添った自然な形で企業の魅力を伝え、応援する気持ちを「購買意欲」へつなげるきっかけとなります。
③スポーツ支援で好感度・信頼感が高まる#
スポーツを支える企業は、地域や社会に貢献しているという印象を持たれやすくなります。たとえば、地元高校の部活にユニフォームを提供している企業があると「若者の夢を応援している会社」というポジティブなイメージが定着しやすいです。
これは、スポーツがもつ公共性や地域性が、人々の信頼を自然と集めるからです。特に、地域の大会や育成世代への支援は、地元の学校関係者や保護者からの好感にもつながります。
「応援してくれてありがとう」と言ってもらえる企業は、自然と信頼される存在になります。そのような企業像を築く手段として、スポーツ支援はとても効果的です。
④社内エンゲージメント・採用力が強化される#
企業が応援するスポーツチームを社員も一緒に応援することで、職場に一体感が生まれます。
社内での共通話題が増え、部署を越えたコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。
このようなポジティブな雰囲気は、採用活動にも良い影響を与えます。たとえば会社説明会で「地元チームの公式スポンサーです」と紹介すれば、スポーツ好きの高校生は一気に目を輝かせ、入社後の定着にもつながります。
ただスポンサーをするだけでなく「一緒に応援する場」をつくることで、社内外に好循環が広がっていきます。
⑤他企業との接点が増えビジネスも広がる#
スポーツチームのスポンサーには、さまざまな業種の企業が参加しています。業界や規模の枠を越えて交流できるため、思わぬところから新しい取引が始まることもあります。
スポンサー交流会やスタジアムでの協賛イベントでは、チーム関係者や他社の担当者と自然に会話が生まれます。たとえば、飲料メーカーと物流会社が共同で、地元チーム応援ラベルの商品を企画・展開した事例もあります。
企業の枠を飛び越え、チームという共通項を通じて新たなビジネスのきっかけがつくれるのもスポーツスポンサーの魅力です。
企業×スポーツチームのスポンサー事例3選#
企業の業種や規模に関係なく、自社の強みや地域性を活かした共創型の取り組みが全国で広がっています。
なかには採用やブランディング、社会課題の解決にも直結する事例も多く「自社でも応用できそう」と感じる企業も多いはずです。
ここからは、高卒採用や地域貢献の視点でも参考になる3つの先進事例を紹介します。
①NetOne×大分トリニータ#
ネットワンシステムズ株式会社は、大分トリニータと15年以上にわたって地域密着の社会貢献活動を行っています。
2024年にはさらに連携を強化し、親子500名をスタジアムに招待したり、誰でも参加できるユニバーサルスポーツ体験を実施しました。
注目したいのは、支援額に対する社会的投資収益率(SROI)が4.21倍という数値です。これは、1円の支援で4円以上の社会的価値を生んだことになります。
「地域に貢献している会社で働きたい」という高校生にとって、こうした取り組みは大きな共感ポイントになります。ESG評価を高めたい企業にとっても参考になる事例といえるでしょう。
②e-dash×アルバルク東京#
環境スタートアップのe-dashは、Bリーグのアルバルク東京と協力し、全ホームゲームのCO₂排出量を正確に算定しました。そのうえで、1,212トン分をカーボンオフセットし、実質的なCO₂排出量をゼロにしました。
翌年には、観戦に合わせて環境意識を高めるファン参加型の脱炭素アクションを展開し、自治体やテレビメディアにも広く取り上げられています。
このような取り組みは、「環境を大切にする会社で働きたい」という学生に強く響く内容です。SDGsやサステナビリティの姿勢を社外に伝える方法としても、効果的といえるでしょう。
③一燈会×湘南ベルマーレフットサル#
神奈川県の社会福祉法人・一燈会は、湘南ベルマーレフットサルクラブと連携し、「農業×福祉×スポーツ」の新しい地域モデルを展開しています。
耕作放棄地を活用した農場「ベルファーム」では、障がい者の雇用を促進し、選手と利用者が一緒に農作業をすることで、自然な交流が生まれています。
現在では行政との連携協定にもつながり、全国から見学に訪れる団体もあるそうです。
一燈会の事例は、スポンサー活動で地域課題を解決でき、福祉と連携した事業や福祉法人の情報発信が可能なことを示しています。
「採用だけでなく、地域に良いこともしたい」という企業には、大きなヒントになるはずです。
スポーツスポンサーのトレンドは共創へ!企業とチームの新しい関係#
スポーツスポンサーのトレンドは、「見える支援」から「共創」へと移行しています。ここからは、共創の潮流がどのように広がっているのかを、具体的なテーマごとに見ていきましょう。
主目的が広告から共創へ変化している#
これまでのスポンサー活動は、チームのユニフォームや会場看板にロゴを出すなど「露出」が目的でした。
しかし最近では、企業の課題とチームの資産を組み合わせた共創型プロジェクトが急増中です。たとえば、地元で若手採用に悩む企業がクラブと協力して、高校生向けの職場体験イベントを開催するといった事例です。
チームとスポンサーが仲間として社会に働きかける関係性が、これからスタンダードになりつつあります。
新規事業や教育現場との連携が進んでいる#
昨今のスポーツチームと企業の関係は、共同で新商品を開発したり、教育の場に関わったりする動きが目立ってきました。
たとえばある企業は、スポーツチームのノウハウを活かして「アスリート向けサプリメント」を共同開発しました。別の企業では、選手が高校に出向いて授業を担当する探究学習プログラムをつくり、地域の教育機関との連携が始まっています。
社員も学生も体験を通じて成長できる場がつくれるのが、共創型スポンサーの面白さです。
スポーツ庁も共創型スポンサーを支援している#
国の政策としても、スポーツと企業の共創を後押しする動きが始まっています。スポーツ庁は「SOIP(Sports Open Innovation Platform)」という構想を掲げ、スポンサー活動の枠を超えた取り組みを広げています。
SOIPの特徴は、スポーツを社会課題の解決ツールとして活用する視点です。企業・教育機関・チームが連携し、地域の子どもたちの居場所をつくる活動をしたり、自治体と強力して健康促進イベントを行ったりしています。
国全体でスポーツの企業支援を後押ししている今こそ、共創の輪に参加する絶好のタイミングといえるでしょう。
スポーツチームのスポンサーを始める前に確認すべきポイント#
スポーツチームのスポンサーを勢いだけで始めてしまうと、「思っていた効果が出なかった」「ルールを誤解してトラブルになった」という事態にもなりかねません。
スポーツスポンサーは、あくまでビジネスの一環です。自社との相性を見極め、必要な準備を整えて、はじめて成果につながります。
ここでは、初めてのスポンサー活動で押さえておきたい、4つのチェックポイントをご紹介します。
ファン層と自社ターゲットの一致を確認する#
スポンサーとしてチームと関わる前に、そのファン層が自社の商品やサービスのターゲットと重なっているかを調べておきましょう。ターゲットがズレていると、どれだけ露出しても期待した反応は得られません。
事前に確認すべき項目は以下のとおりです。
- ファンの年齢層(高校生・社会人・ファミリー・シニアなど)
- 男女比やファンの雰囲気
- 地域性(全国区か地元密着型か)
「地元の高校生からの応募を増やしたい」という採用目的なら、地域に根差し、若年層に人気のクラブとの相性が良くなります。
契約内容と使用権利を細かく把握する#
スポンサー契約は、チームとの信頼関係が前提です。しかし、細かな権利内容を文書できちんと確認しておかないと、誤解やトラブルの元になります。
事前に確認すべき契約項目は以下のとおりです。
- ロゴ掲載が認められる媒体(ユニフォーム・看板・公式サイトなど)
- 選手の肖像やエンブレムの使用範囲(広告・パンフレット・イベントなど)
- SNSやメディアでの発信に関するルール
あいまいなまま進めてしまうと、スポンサー活動のメリットを最大限に活かせません。契約前に一つひとつ丁寧に確認しましょう。
効果測定は定量・定性両面で設計する#
スポンサー活動の成果は、すぐに数字に出るとは限りません。売上や来店数といった「見える効果」だけでなく、ファンの好印象や信頼感といった「見えにくい効果」を積み重ねることで、長期的な利益を生み出します。
測定に使える評価指標は以下のように整理できます。
| 評価軸 | 内容の一例 |
| 定量評価 | SNSのリーチ数イベント参加者数資料請求件数など |
| 定性評価 | 社員の満足度変化学校関係者からの反応地域メディアでの紹介など |
はじめに評価軸を決めておけば、活動後に振り返るときもぶれずに効果を検証できます。
不祥事・成績リスクへの備えを忘れない#
どんなに人気のあるスポーツチームでも、成績不振や不祥事が起きる可能性はゼロではありません。スポンサーとしてチームに関わっていると、SNSなどで一緒に批判を受けることもあり得ます。
そうした事態に備えておきたいリスク対策は、以下のとおりです。
- 契約書に「イメージ毀損時の解除条件」を明記しておく
- 不祥事が起きたときの社内対応方針をあらかじめ決めておく
- 他の社会貢献活動や採用施策と組み合わせて依存度を分散しておく
「応援する気持ち」と「リスク管理」は、どちらも欠かせません。長くスポンサーを続けるためにも、冷静な備えを意識しておきましょう。
プロだけじゃない!高校部活動チームをスポンサーするという新提案#
「スポンサー」と聞くと、プロのスポーツチームを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、もっと身近な地元高校の部活動を支援することも可能です。
ここでは、地元高校の部活動を支援するメリットや、具体的な取り組み方をご紹介します。
地元企業に最適な等身大のスポンサー施策#
高校の部活動は地域に深く根づいた活動です。そのため、地元企業と相性が良く、支援の手応えを実感しやすいのが特徴です。
たとえば市内の高校生向けに知名度を広げたい企業が、野球部や吹奏楽部の活動をサポートすれば、学校内だけでなく保護者や教員にも名前が伝わります。「あの会社がうちの子どもの活動を応援している」という親しみが企業への信頼につながります。
身近な場所で信頼を積み重ねていける点が、プロチームとは違う大きな魅力です。
少額から始められコスパも高い#
高校の部活動への支援は、プロスポーツチームに比べて支援金額が抑えられるため、スポンサー活動を初めて行う企業でも取り組みやすいのが特徴です。
たとえば「ユニフォームの提供のみ」「遠征費の一部補助のみ」といった小規模な支援でも歓迎されやすく、費用対効果の面でも非常に優れています。
地域の若者を応援するという社会的意義も大きく、「大きな広告費は出せないが、地域貢献をしたい」と考える企業にとっては、等身大で価値のある活動になるでしょう。
高校部活スポンサー支援なら「Bスポンサーズ」#
「部活動を支援したいけど、どう始めればいいかわからない」という企業に最適なのが、高校部活専門のマッチングサービス「Bスポンサーズ」です。
Bスポンサーズを活用することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- 企業:高校生と自然に接点ができ、地元での認知度も上がる
- 学校:部活動の資金不足を解消しやすくなる
- 保護者:活動費の負担が減り、子どもに多くの経験を与えられる
- 教員:金銭面の不安が軽減され、指導に集中しやすくなる
支援の対象は運動部だけでなく、文化部にも広がっています。たとえば吹奏楽部への楽器購入費の補助や、美術部が展覧会に出展する際の資金支援など、部活動の種類を問わず参加可能です。
さらに、近年は部活動の参加率低下が課題となっており、運営資金の確保が難しいケースも増えています。Bスポンサーズはこうした問題の解決にも取り組んでおり、企業との連携で部活動を再び地域の誇りにすることを目指しています。
採用活動と地域貢献を同時に進めたい企業には最適な施策です。まずは身近な高校から、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
部活動のスポンサーになる具体的な手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
>>部活動のスポンサーになるには?具体的な手順と地域応援制度の活用メリットを解説
まとめ#
この記事では、知名度の向上や売上アップなど、企業がスポーツチームのスポンサーになることで得られる具体的な5つの効果と、共創を軸にした最新事例を紹介しました。
これからスポンサー活動に取り組むなら、まずは無理なく始められる高校部活支援で、地元の未来に寄り添う存在として信頼を積み上げてみてください。応援を通じて企業も地域も元気になる、そんな関係づくりを一歩ずつ始めましょう。